【観劇】百年の秘密 @ナイロン100℃

事前に、WEBのあらすじを読んでいった。

【あらすじ】---------------

二人の女性の半生を描くつもりだ。
彼女と彼女は青春時代に出会い、友人関係を築く。とは言え、ずっと一緒にいるわけではなく、人生の局面で幾度か再会し、や がて別々に死ぬ。そんな話。これが男性同士であれば、いわゆる「友情物語」になるのかもしれない。そうなるのを慎重に避けるべく、女性の物語にしたとも言える。「女性同士に真の友情なぞ成立し得ない」などというつもりは毛頭ないが、そして私は男性であるから本当のところは判らないが、やはりどうもしっくりこないのは、「生涯に渡り続く友情」はもはやロマンの領域だからだ。女性の場合、概ね「生活」が「ロマン」を凌駕するのではないか。「友情」などという言葉ではとても語り尽くせぬ、複雑でデリケートな関係を描ければと思う。そんなドラマでこそ、二人の間の秘密、二人をとりまく秘密は深淵さを帯びるだろう。

(http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/nylon38th.html)

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実際に見てみて、この文章もやっとわかったような気になってきた。笑

 

女性って、結婚、出産でどうしても生活は変わるし、

この描かれてる時代なんか特に、男性社会の中で、

男性に振り回されることがたくさんあったはず。

だからこそ、私たち女性の持つ感情や正義は

「生活」に左右されて、前に発した正論や友情が簡単には口にできなくなるし、

それが、結構周りから見たら「これだから女性は」ってことになったりもする。

 

そんな中でも、ずっと同じところにいなかった2人がここまでのつながりを持ち続けるのは、

綺麗な話でもなんでもなくて。

 

やっと"ここ"に辿り着いたけど、

見てみたら沢山の傷を負って、数少ない大切なものを失ってて、

それでも"ここ"に辿り着けて幸せだった、と本人たちは思ってる。

 

本当にそれで良かったの?

2人はそれを最後まで突き通して、死んでいくけれど

大切な人には想いが繋がらないまま先立たれて、

子どもには呆れられて、どんどん惨めな老人になっていく。

全然羨ましくなんかない。

こんな人生やだなと思ってしまう。

 

それでも、最後に2人が会った時にふたりは笑い合う。

すごく子供らしく。可愛らしく。

2人とも自分の選択を後悔はしてなくて、

後悔していないのはお互いの存在がお互いを認め合ってるからだった。

 

木の下に埋めた秘密は彼女たちの人生をめちゃくちゃにしたかもしれないけど

それはそれで彼女たちをお互い唯一無二の存在にした。

 

綺麗なままあの関係を作ることはできなかったのかなと思ってしまう。

綺麗なままの人生ってないのはわかってるけど

それでも簡単に欲しくなる。

 

「複雑でデリケートな関係」が見事に描かれてた。

観てる側に、色々なことを考えさせられるし、

なんなら、人間の嫌な部分がたくさん顕在化させられそうな感じ。

それでも生きて行かなきゃいけないわたしの現実があって、

そう考えると、わたしの人生もなかなか捨てたもんじゃないなって。

 

演出とかは、

プロジェクションマッピングも使ってるし、

なんだ割とダイナミックさを推すのかなと思ったら、

語り手がいて、みんなで同じ動作をしたりとか、出演者が小道具を動かしてセットを完成させたりとか、

人が作る舞台の細かい演出が入り混じってて。

私はすごく馴染みがあってわくわくした。

 

でも、ところどころで使ってる効果音とかプロジェクションマッピングが、

絶妙すぎて、あの不気味な雰囲気を作ってた。

 

庭と家の切り替わりも、家のシーンなのに、庭にいっぱなしの人は、はけずにそこにいて。

そのタイミングとか、空間の使い方が上手くて、

ぶつからずにそこに本当に二つの空間が存在してた。

あれは、多分タイミングとかセットの置き方とかなんだろうなあ、と勉強になりました。笑

 

直感的にはすごく面白くて、あーやっぱり役者さんすごいなとか、舞台っていいなと思ったけど、

複雑な舞台って苦手かもなあと。笑

多分、何回か観た方が面白い。

ストーリーが別の角度で見えるはず。

そこまでのわたしの体力が追いついてないだけで。笑

 

ナイロンはまた別の作品も見て観たいなあ。